同人、マンガ、アニメを中心にオタク文化とデザインの関係性を探ります。
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04_ クロさん きゆづきさとこさんすごく好きです。色彩感覚が天才ですね。
ご無沙汰してます。なんとか更新できました。
それにしても今期のアニメは面白いのが多いですね。
時間あればそれについてもお話したいと思いますよ。
さて、前回は「ライトノベルとコミック装丁」というテーマで
いろいろ書きましたが今回もその続きです。
第2回の今回はコミック装丁を中心にお話していこうと思います。
前回もお話した通り、オタク業界の中で「コミック」と「ライトノベル」の二つは
オタク文化を牽引しているといっても過言ではありません。
そして、ライトノベルよりも歴史の長い「コミック」なんですが、
デザインの面で大きく変化が現れたのは以外にも最近で、
これは勝手な推測になってしまいますが、
最近のオタク文化の市場拡大なども影響し、
さまざまなコミック誌が新しく新創刊されていく中で
多くのコミックが刺激受け合い、
オタク業界の中でのデザインが見直されはじめているのかも知れません。
その証拠とは言えませんが、巧みなマーケティングとデザイン戦略で
オタク業界のトップに君臨する「とらのあな」さんでは、
「虎通」というフリーペーパーでいち早く今年から「同人とデザイン。」
というデザインに着目点を置いたコラムが始まりました。
余談ですが、このコラムに文を書いているのは
「オタクとデザイン」の染谷さんですね。
さらに関係ないですが「虎通」の表紙デザインはすごくよいですよ。
ロゴとか配色とか。
また長くなりそうなので話を戻して、
とにかく今も進化を続ける「コミック」のデザインなんですが、
その中心におり、「コミック」におけるデザインの必要性に
いち早く目をつけたのが「よつばスタジオ」の里見英樹さんです。
さてさて里見英樹さんですが、主に「よつばと!」の
総合的なデザインのほか、「苺ましまろ」や「わたしのおにいちゃん」などを、
最近では数多くのコミック装丁を手がけるデザイナーさんですね。
デザイナーというよりもアートディレクターの方が近いのかな。
まず「よつばと!」のコミック装丁のことから話しますと、
正直言って非の打ち所ないくらい完璧です。
いきなりそんなこと言われても訳が分からないと思いますので
順を追って説明しますと、一番に注目すべきは
帯の紙から表紙の紙、ロゴ、色の選びなどどの要素を取っても
全てにおいて世界観が統一されていること。
とりあえず表紙の話をしますと、まず一番に目に入るのが
「よつばと!」のロゴだと思いますが、
これにはUV印刷という特殊な印刷法を使って厚みを出しています。
それに表紙のカバーにもあえてコート紙などではなく、
風合いのあるファインペーパーをつかい、
表紙のイラストにもその紙の凹凸感がでており
夏らしい「よつばと!」の世界感をさらに増してますね。
これは推測ですがファインペーパーは水や汚れに弱いものもあるので
恐らく一度表紙を印刷したあとコート剤を表面に塗って
そこにさらにUV印刷をほどこすという手間のかかる作業を
しているんだと思います。
さらにファインペーパーを使うということは紙によっては
色の鮮やかさや再現性が劣るので、こういったイラストがメインの
オタク系のものには使われにくいのですが、
里見さんは逆にその彩度の落ちた色合いを利用して、
どこか懐かしく、優しい「よつばと!」の雰囲気を
出しているのだと思います。
それゆえに店頭に並んだ際に他の鮮やかな色のコミックに劣らないよう、
イラストを背景付きのかなり書き込んだものにすることにより、
アイキャッチ効果を高めているのではないかとも思います。
次に帯ですが、これもクラフト系の紙を使う事で世界観をより強め、
かつ2色印刷にすることで、恐らく表紙でかかったコストを
抑えていたりするのかもしれませんが、
それもまたコンセプト通りのデザインになっています。
余談ですが、最近コミックスの帯の重要度が格段に上がり、
デザイン的にもただ広告媒体としてではなく、
おもしろいものが多くなってきていますね。
なかでも帯のデザインが際立ってよいのがやはり里見さんで、
どうやったらこんないいキャッチコピーが浮かぶのかというほどの
天才コピーライターぶりを発揮しています。
よつばとなら「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」、
かなり有名ですが苺ましまろなら「かわいいは正義」などで、
これも余談ですが最近発売された苺ましまろの5巻の帯にも
この「かわいいは正義」というキャッチコピーが使われていたのですが、
そのキャッチに「Futura」というフォントを使っていたのは
かなり驚きました。さすがというかもうホントにすごい方です。
話を「よつばと!」の方に戻しますが、その他で気になったデザインは
1巻の最後や3巻の花火のシーンに見られるカラーページです。
まずコミックにカラーページを入れるのはよくある事ですが、
それは大抵最初のページにコート紙を入れて印刷する場合が
ほとんどのはずです。
ですが、「よつばと!」はあえて他のページと変わらない
コミック紙にカラー印刷をすることで、
彩度の落ちた中にもやわらかい世界感を出しています。
他にも細かいところでいろいろあるのですが、
このように「よつばと!」のコミック装丁は全てにおいて
コンセプト(世界感)がぶれないよう統一されデザインされています。
それがシンプルでもあり、あずまさんのマンガをさらに引き立てていますね。
と「よつばと。」のことを書いていたらものすごく長くなってしまいまして、
他にも「ゆるめいつ」やら「GA」やら「苺ましまろ」などなどの
話もしたかったんですがまた別の機会に。
何はともあれ、今回も長々と読んでいただきありがとうございます。
次からはもっと短く簡潔にまとめられるよう努力してみます。
それにしてもどこにもリンクやら宣伝をまだしてないこのブログなんですが、
嬉しいことに毎日何人かの方が訪れてくれているみたいです。
とにもかくにも早いとこ、タイトルとか変えて、
ブログのデザイン直さなくてはと思ってます!
それでは今回はここらへんで。
次回はまたアニメのお話に戻って、「ぱにぽに」や
「さよなら絶望先生」などを制作している
アニメ製作会社の「シャフト」さんのお話をしたいと思います。
ではまた!
オタク文化を牽引しているといっても過言ではありません。
そして、ライトノベルよりも歴史の長い「コミック」なんですが、
デザインの面で大きく変化が現れたのは以外にも最近で、
これは勝手な推測になってしまいますが、
最近のオタク文化の市場拡大なども影響し、
さまざまなコミック誌が新しく新創刊されていく中で
多くのコミックが刺激受け合い、
オタク業界の中でのデザインが見直されはじめているのかも知れません。
その証拠とは言えませんが、巧みなマーケティングとデザイン戦略で
オタク業界のトップに君臨する「とらのあな」さんでは、
「虎通」というフリーペーパーでいち早く今年から「同人とデザイン。」
というデザインに着目点を置いたコラムが始まりました。
余談ですが、このコラムに文を書いているのは
「オタクとデザイン」の染谷さんですね。
さらに関係ないですが「虎通」の表紙デザインはすごくよいですよ。
ロゴとか配色とか。
また長くなりそうなので話を戻して、
とにかく今も進化を続ける「コミック」のデザインなんですが、
その中心におり、「コミック」におけるデザインの必要性に
いち早く目をつけたのが「よつばスタジオ」の里見英樹さんです。
さてさて里見英樹さんですが、主に「よつばと!」の
総合的なデザインのほか、「苺ましまろ」や「わたしのおにいちゃん」などを、
最近では数多くのコミック装丁を手がけるデザイナーさんですね。
デザイナーというよりもアートディレクターの方が近いのかな。
まず「よつばと!」のコミック装丁のことから話しますと、
正直言って非の打ち所ないくらい完璧です。
いきなりそんなこと言われても訳が分からないと思いますので
順を追って説明しますと、一番に注目すべきは
帯の紙から表紙の紙、ロゴ、色の選びなどどの要素を取っても
全てにおいて世界観が統一されていること。
とりあえず表紙の話をしますと、まず一番に目に入るのが
「よつばと!」のロゴだと思いますが、
これにはUV印刷という特殊な印刷法を使って厚みを出しています。
それに表紙のカバーにもあえてコート紙などではなく、
風合いのあるファインペーパーをつかい、
表紙のイラストにもその紙の凹凸感がでており
夏らしい「よつばと!」の世界感をさらに増してますね。
これは推測ですがファインペーパーは水や汚れに弱いものもあるので
恐らく一度表紙を印刷したあとコート剤を表面に塗って
そこにさらにUV印刷をほどこすという手間のかかる作業を
しているんだと思います。
さらにファインペーパーを使うということは紙によっては
色の鮮やかさや再現性が劣るので、こういったイラストがメインの
オタク系のものには使われにくいのですが、
里見さんは逆にその彩度の落ちた色合いを利用して、
どこか懐かしく、優しい「よつばと!」の雰囲気を
出しているのだと思います。
それゆえに店頭に並んだ際に他の鮮やかな色のコミックに劣らないよう、
イラストを背景付きのかなり書き込んだものにすることにより、
アイキャッチ効果を高めているのではないかとも思います。
次に帯ですが、これもクラフト系の紙を使う事で世界観をより強め、
かつ2色印刷にすることで、恐らく表紙でかかったコストを
抑えていたりするのかもしれませんが、
それもまたコンセプト通りのデザインになっています。
余談ですが、最近コミックスの帯の重要度が格段に上がり、
デザイン的にもただ広告媒体としてではなく、
おもしろいものが多くなってきていますね。
なかでも帯のデザインが際立ってよいのがやはり里見さんで、
どうやったらこんないいキャッチコピーが浮かぶのかというほどの
天才コピーライターぶりを発揮しています。
よつばとなら「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」、
かなり有名ですが苺ましまろなら「かわいいは正義」などで、
これも余談ですが最近発売された苺ましまろの5巻の帯にも
この「かわいいは正義」というキャッチコピーが使われていたのですが、
そのキャッチに「Futura」というフォントを使っていたのは
かなり驚きました。さすがというかもうホントにすごい方です。
話を「よつばと!」の方に戻しますが、その他で気になったデザインは
1巻の最後や3巻の花火のシーンに見られるカラーページです。
まずコミックにカラーページを入れるのはよくある事ですが、
それは大抵最初のページにコート紙を入れて印刷する場合が
ほとんどのはずです。
ですが、「よつばと!」はあえて他のページと変わらない
コミック紙にカラー印刷をすることで、
彩度の落ちた中にもやわらかい世界感を出しています。
他にも細かいところでいろいろあるのですが、
このように「よつばと!」のコミック装丁は全てにおいて
コンセプト(世界感)がぶれないよう統一されデザインされています。
それがシンプルでもあり、あずまさんのマンガをさらに引き立てていますね。
と「よつばと。」のことを書いていたらものすごく長くなってしまいまして、
他にも「ゆるめいつ」やら「GA」やら「苺ましまろ」などなどの
話もしたかったんですがまた別の機会に。
何はともあれ、今回も長々と読んでいただきありがとうございます。
次からはもっと短く簡潔にまとめられるよう努力してみます。
それにしてもどこにもリンクやら宣伝をまだしてないこのブログなんですが、
嬉しいことに毎日何人かの方が訪れてくれているみたいです。
とにもかくにも早いとこ、タイトルとか変えて、
ブログのデザイン直さなくてはと思ってます!
それでは今回はここらへんで。
次回はまたアニメのお話に戻って、「ぱにぽに」や
「さよなら絶望先生」などを制作している
アニメ製作会社の「シャフト」さんのお話をしたいと思います。
ではまた!
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この記事にコメントする
里見さん
> 恐らく一度表紙を印刷したあと
> コート剤を表面に塗って
> そこにさらにUV印刷をほどこすという
> 手間のかかる作業を
おおお……この解説はすごいです。
紙や色の考察までしたことなかったんで(^_^;)
さすがプロのかた、詳しいですねー。
自分も勉強しなければ。
里見氏、最近の装丁だと
「ゆるめいつ」のほかに
「ひろなex.」「日常」「南風と海鈴」
「Heart2こみっくHeart2」
なとがありますね。
最近ちょっと暖かみのあるデザインが
増えてきているような気もします。
> かわいいは正義にFutura
あれはビックリしました。
5巻の帯はなにで責めるんだろうと思いきや、
すっかり普及したあのコピーを
大胆にもローマ字表記するなんて!
里見さんの文字に対するこだわりは凄いです。
「ワムサポーティング」という
フォントメーカーのHPを見ていると、
主要取引先に有名フォントメーカーと並んで
よつばスタジオが載っているくらい(笑)
> コート剤を表面に塗って
> そこにさらにUV印刷をほどこすという
> 手間のかかる作業を
おおお……この解説はすごいです。
紙や色の考察までしたことなかったんで(^_^;)
さすがプロのかた、詳しいですねー。
自分も勉強しなければ。
里見氏、最近の装丁だと
「ゆるめいつ」のほかに
「ひろなex.」「日常」「南風と海鈴」
「Heart2こみっくHeart2」
なとがありますね。
最近ちょっと暖かみのあるデザインが
増えてきているような気もします。
> かわいいは正義にFutura
あれはビックリしました。
5巻の帯はなにで責めるんだろうと思いきや、
すっかり普及したあのコピーを
大胆にもローマ字表記するなんて!
里見さんの文字に対するこだわりは凄いです。
「ワムサポーティング」という
フォントメーカーのHPを見ていると、
主要取引先に有名フォントメーカーと並んで
よつばスタジオが載っているくらい(笑)
コメントありがとうございます。
>>straw428さま
>さすがプロのかた、詳しいですねー。
いえいえ、そんなプロと呼べるような
大層なことはしてませんので、
もしかしたら間違ってたりするとこも
多々あるかもしれません(^_^;)
特にフォント関係は割と弱いので、
間違ってる所などありましたら
ご指摘お願いします!
それと表紙の紙に関しては元から
表面がコートしてある紙ということも
あるかもしれません。
>最近の装丁だと「ゆるめいつ」のほかに
「ひろなex.」「日常」「南風と海鈴」
「Heart2こみっくHeart2」
おお、「日常」も里見さんだったんですね。
あれもとらのあなで見かけた時は
すごいコピーだなと目を奪われました!
「南波と海鈴」は確か百合姫に
連載されている4コママンガでしたよね。
あれもそうだったんですか。
「ゆるめいつ」は購入してじっくり
読んだんですが、マンガはなかなか
おもしろかったです。
帯には、本文で使っているのと同じ紙を
使うことで、マンガのコンセプトである
ゆるゆるぶりをデザインに
反映させているのが驚きました。
あえてなんでしょうがそこがすごい。
「ワムサポーティング」さんのサイト
拝見しました、たしかに載っていましたね!
さすがです(笑)
>さすがプロのかた、詳しいですねー。
いえいえ、そんなプロと呼べるような
大層なことはしてませんので、
もしかしたら間違ってたりするとこも
多々あるかもしれません(^_^;)
特にフォント関係は割と弱いので、
間違ってる所などありましたら
ご指摘お願いします!
それと表紙の紙に関しては元から
表面がコートしてある紙ということも
あるかもしれません。
>最近の装丁だと「ゆるめいつ」のほかに
「ひろなex.」「日常」「南風と海鈴」
「Heart2こみっくHeart2」
おお、「日常」も里見さんだったんですね。
あれもとらのあなで見かけた時は
すごいコピーだなと目を奪われました!
「南波と海鈴」は確か百合姫に
連載されている4コママンガでしたよね。
あれもそうだったんですか。
「ゆるめいつ」は購入してじっくり
読んだんですが、マンガはなかなか
おもしろかったです。
帯には、本文で使っているのと同じ紙を
使うことで、マンガのコンセプトである
ゆるゆるぶりをデザインに
反映させているのが驚きました。
あえてなんでしょうがそこがすごい。
「ワムサポーティング」さんのサイト
拝見しました、たしかに載っていましたね!
さすがです(笑)